(2) 深さと地震波速度の関係 実際には、地球内部を進む地震波は速度が違うところが通るときには屈折する。だから、本当は地震波は地球内部では中心に向かって凸の曲線を描きながら進む。しかしこの扱いは大変に難しい。そこ 比較的浅い海底付近の地震だけでなく深さ600 km程度の 深発地震 でも発生することがある
例えば、P波が固い岩盤(地震基盤)の上面を伝わるときは、おおよそ5~7km/s、S波ではおおよそ3~4km/sとされていますが、もう少し地表に近い層(工学的基盤の上面)などでは、S波はおおよそ数100m/sとかなり遅くなっています(7月号の用語解説「地震基盤と工学的基盤」も参照ください) 地震波速度とは地震波が地面の中を伝わる速さのことです。では、地震波速度を知ることでどんなことがわかるのでしょうか? まず、地震波にはいろいろな種類があることをお話しします。地震波には、地球の内部を伝わる実体波と、地球の表面だけを伝わる表面波があります モホロビチッチは、地球内部は均質、あるいは深さとともに連続的に密度が増す(地震波速度が速くなる)のではなく、ある深さで不連続的に変化する(地震波速度が急に速くなる)のではないかと考えた。つまり下の図のように. 低速度層は大陸下よりも海底下でより顕著に存在することが地震波速度の観測から知られている。この層は,海底下では深さ 70~250kmくらいに存在するが,大陸下,特に楯状地の下ではほとんど確認されていない。しかし,日本列島な
地震波速度は地表からある程度の深さまで, 6-7km/sの 値を取るが,あ る深さで約8km/sに 急増することが知られている。この不連続面は発 見者の名前から,モホロビチッチ(Mohorovicic) 不連続面あるいはモホ面と呼ばれている。モ 世界大百科事典 第2版 の解説 地下10~数十kmの深さにある地震波速度や密度の急増する境界。M M不連続面あるいはモホ面と略称されることが多い。 地震波速度v 深さ 震央距離 震央距離 時間 震央距離 地震波線パラメター (p) 深さ 震源 ∆ ∆ ∆ 地震波形 B C A A C 波が観測できない領域 シャドーゾーン B ∆ ∆ 1.1 波動伝播の基礎 多層構造中の波動伝播 地表に柔らかい層があると、地震.
しかしよく見てみると,マントルには,深さ400-700kmのあたりに地震波速度が急激に速くなる領域があるのがわかります.この領域はマントル遷移層とよばれ,マントルを構成する岩石の結晶構造が,浅い(より低温・低圧な)条件下で安定なものから,深い(より高温・高圧な)条件下で安定なものに変わる相転移を起こす領域です.もしマントルが活動しておらず静的な平衡状態にあるならば,図1に示されるような深さのみで決まる温度・圧力条件に対応した成層構造になっているはずです.しかし実際の地球では,地震波トモグラフィーという地球内部の断層撮影から,マントルには水平方向の不均質が存在してマントル対流が活発に起きている様子が見えています.このせいでマントル遷移層の構造は微妙に変化をし,驚くべきことにその影響はマントル全体のダイナミクスや地球の進化をコントロールする重要な要素なのです 地震学のレポートについてお願いいたします。P波速度が深さと共に単調に増大する時、ある深さの範囲に低速度層があるとき、ある深さの範囲で速度の増加率が大きい時、の三つの速度構造について、走時概略を描けという問題です。解説してくださった後にしっかり学習するので、どなたか. (注27) 温度変化により,地震波速度が変化する量は地震波速度の深さ変化の量に比べてごくわずかである.温度の1000 C程度変化に対して速度変化は数パーセントである.地球の層状構造を研究する場合には無視しても良い程度の変化であった.1980年代に地震計の高性能化とディジタル化が進み. 地震波の屈折と反射地球内部では地震波速度は場所や深さによって変化する.地 震波速度がある深さで不連続的に変化したばあい,同じ種類の波(たとえば P 波がP 波として屈折する場合) の屈折の仕方はスネルの法則で与えられる
地球内部の地震波速度・密度分布と構造 地球は深さ平均約30 kmの地殻、深さ2,900 kmまでのマントル、中心の深さ6,400 kmまでの核の3つの領域からできています。 1:20 東京駅から横浜 1:40 東京駅から立川 2:00 東京駅から大宮駅 2:49 大阪城から神戸 3:10 大阪城から京都駅まで 被害をもたらすのはP波よりS波なの. 深さ7~40kmの不連続面は、その発見者の ¡前をとって モホロビチッチ不連続面(モホ面)と呼ばれている。これよ り上の地殻では地震波のP波の速度が5~7km程度であるが、 その下のマントルでは約8kmになる。P波速度はマントル最上部 図3.4の下段には, 地震波速度が深さ方向に直線的に増大している場合の地震波の伝播状況が示されていますが, 波線はもはや直線ではなく,曲線になります. このような場合,震源を発した地震波が観測点に到達するまでの時 ウム分布と地震波トモグラフィーに相関があることを発見した.トリウム濃度が高い地域はS波速度が遅く,その低速度異常は深さ250kmから400kmに及ぶ.この事実は,S波速度低下を生じている温度(あるいは組成
●マントルには、相変化による地震波速度の ジャンプが深さ410kmと660kmにある。 特に660kmでおこる相分解は、マントル対流および 深い地震の発生に大きな役割をなす。 地震は深さ 660kmより深いところでは起こらない 震源から観測点まで、波が到達するのに要した時間を地震波の「走時」という。震央距離と走時の関係を描いたグラフを「走時曲線」という。図4.2.4-2は深さ0の震源に対する走時曲線である。震央距離は、震央と観測点を結ぶ弧の長
地震波の伝わる速度について質問です。今読んでいる公務員試験の地学のテキストに「地震波の伝わる速さは物質が硬いほど早く、密度は小さいほど速い」と記載がありますが、これが間違っている気がしてなりません。密度は大きいほど速い そのS波速度は対象とする構造物の種類や地盤状況によって異なりますが、多くの場合300~700m/s程度以上の地盤のことを指します。 確率論的地震動予測地図では、S波速度が400m/sの地盤を工学的基盤としています 防災 ・災害 - 200キロ離れた震源で地震が起こったときに(深さは平均的なものとして)、揺れが到達するのにどのくらいの時間がかかるのでしょうか。 もしほんの数秒でも先に知ることができたら、対策が
海底地震などで発生する津波の伝播速度を計算します。使用目的 ふと、津波速度の計算式が思い出せなかった。昔の教科書を 引っ張り出す手間が省けた。ご意見・ご感 2.1 地震情報 SI値 地震動がどの程度、建築物に被害を及ぼすかを計る指標(一般に震度より良い) 考え方、建物の固有周期は0.1~2.5 sec この周波数帯の速度応答スペクトルの平均をとった値でSI値が定義 SI= 1 2.4 Sv(T,h)dT 0.1 ∫2.5 速度
地震ハザードカルテの見方を説明します。 説明を表示する箇所をクリックすると、該当箇所の説明へ移動します。 1. 評価地点情報 評価地点の位置や人口の情報です。地図上の星印は、評価地点が含まれる都道府県または島内における位置を示しています 中1理科。12時24分39秒に地震発生。震源から80km の地点が、24分53秒に揺れ始めた。「P波」の速さは?ってムリだぁ(ガクッ)倒れ込む中学生。立て、立つんだトォォォォ~ッ! オール5家庭教師、見参ッ!「地震の速さ」計算のコツ その結果、地表からの深さおよそ100〜200kmの部分は、地震波の速さが異常に小さい「低速度層」となっている。低速度層では、岩石の剛性率が低く流動しやすい状態にあると考えられる。場所によっては、岩石が部分的に溶融してい 右図の赤線は,地震波の速度を示し,深さ80kmあたりで 急激に速度が減少している.ここがプレートの底に 対応していると考えている. 図4: レシーバー関数解析の結果 (東北日本とWP2)とWP2下の地震波速度構造(右). イメージおよび.
深さ150kmまでにおいては、震源決定精度の最も良い内陸部および沿岸50kmまでの範囲を1.7とし、内陸部の沿岸からの距離により0.1ごとに1.8~3.5のMth値が定められている。 深さ150kmより深い地震については、表2のとおり、深さ そして、この地震波には「P波」「S波」という二種類があり、それぞれ伝わる速さが違うのです。 P波の方がS波に比べて伝達速度がはやいのが特徴です。すなわち、地震が発生したとき、以下のような流れが必ず発生することになります ―35 ― 8 岩石中を伝わる地震波の速度 1.目 的 地震波の伝播速度については、教科書等で大まかな数値は把握している。しかし、地殻やマント ル中を伝わる速度は地表からの深さや地下の密度の増加によって速くなっているように表されて Q. 地震波速度の分布が、主に深さに依存する理由を述べよ Q. 地球全体のS波の走時曲線は、どんな特徴をもつか? 地殻の検出 100km程度の震央距離で、走時曲線に重なり 地殻からマントルに入ると、地震波速度が急増 超マフィック な.
図Ⅰ-4-5 自然地震の走時データを用いて推定した3次元P波速度構造。図は深さ40kmにお けるP波速度を,平均値からのズレの量(カラースケール)で示す。三角,十字,四角印は, それぞれ活火山,低周波微小地震,S波反射 この地震の震源の深さは24Kmで、宮城県気仙沼は震央から141Kmです。 地球の表面付近の地盤は一般に深い場所ほど固く(波が伝わりやすい=速度が速い)、浅い場所ほど柔らかく(波が伝わりにくい=速度が遅い)なります。 こ 地震波速度の解析により、深さ660km から2900km の領域は 下部マントルと呼ばれる層が存在していることが分かっています。また2000km よりも深 いところでは地域的な地震波速度異常が観測されています。地震波速度には縦波音速V. 震源で発生した地震波は、地盤を伝播して地表面をゆらし、被害が発生します。ゆれかたは、地震波の違いや地盤の種類、それから建造物によって異なりますが、まず根本である地震波について調べたいと思います。 地震波には、大きく分けて実体波と呼ぶ地球内部を伝わってくる波と、実体. 2)マグニチュード: 7.4 (深さ40km ) (3)位置:N38 09'、 E142 10'(宮城県沖地震) ( 4)地震計:SMAC -M型(建設省建築研究所所管、 TH030- 1) (5)その他:(略) 表 4.1 最大加速度,速度,変位および生起時
地震波トモグラフィーから予想される現在のマントル対流パターンにっいて 413 Fig. 2bに 示したジオイドの計算結果を見ると, 太平洋 と, 大西洋からアフリカにかけての2箇 所にピークを持 っ下部マントルの低密度域, 及び上部マントルの沈み 図1.(A)東北日本下の地震波速度変化率プロファイルと (B)その解釈.赤色は上から下に速度が急に増えることに対応(青はその逆) 図2.水の移動による各深さでのスラブ(*6)上面付近の 地震波速度構造の模式図.赤・青の線の意味は図1と同じ 地震が起こってからの、数分で気象庁が震源地の特定をします。海の下の地殻深くでも、陸の上にある地震計で震源地の推定がされます。 20XX年に熊野灘の南海トラフの海域のどこかで大地震が起こったとした時、陸上の地震計観測点で震源地から到達した地震波が観測されます
左図は地震波の速度を、右図は圧力、密度、剛性率を深さごとに示しています。 マントルと核の境界や、地下410kmから660kmの「マントル遷移層」は速度が不連続になっているのが見られます 緊急地震速報に関する研究調査や普及活動(特定非営利活動法人リアルタイム地震情報利用協議会) 日本列島下の三次元地震波速度構造モデルの公開(防災科学技術研究所高感度地震観測網[Hi-net]
地震波を示す矢印が曲線なのは、マントルの中でも深さなどによって少しずつ違いがあり、細かく屈折が起きるからです。 143°から180°までは、P. P波速度 (km/s) P波・S波速度比 深さ) S波速度偏差(%) 海域地震研究グループ Marine Geophysics Research Group 海域地震研究グループでは,日本海溝など海域のプレート沈み込み帯における地震の 発生メカニズムや発生場を理解. 地震調査研究推進本部は、地震防災対策の一つとして地震動ハザードを評価するため、「震源断層を特定した地震の強震動予測手法」を用いて全国的な地震動予測地図を発表している。この手法では、地震動評価の為に地下構造を以下の3つの領域に分けている
44 験震時報第40 巻第2,3号 みる. ~ 2. 震源要素計算プログラム観測ずータの精度やP波速度の地域的変化と震源要素 計算結果との関係を,シミュレーションで調べてみる. この震源要素の計算は最小2乗法によったが,震央・ 震源における発震時(Origin time) ばかりでなく震 芝浦工業大学土木工学科 紺野克昭 最終変更 2005/12/05 (2)深いところ 図9-3 に,首都圏の基盤までの深さを示す.ただし,S 波速度は,灰色のV 字ラインより北側がVs=5.7km/s で,南側がVs=5.4km/s と異なっていることに注意す これらの低周波地震の発生した深さ 30 〜 40 km の領域でも、深さ 10 〜 14 km の領域ほど顕著ではありませんが、 P 波速度と S 波速度が遅く、 P 波速度/ S 波速度が大きくなっています。これくらいの深さの結果については少し信頼 地震波の観測によって、地球内部での地震波の伝わる速度が分かる。地震波の速度の解析から、地下の深さ30km〜60kmあたりで、地震波の速度が急激に変化する深さがあることが発見された。これは、地殻とマントルとの境界である
考に、深さ60-70m程度までの地盤構造を5-7層にモデル化した。また、各層の厚さ・密度・P波速度は各 地点のボーリング調査結果から仮定し、S波速度のみを同定した。各地点とも、深さ60-70m程度以深の この地震波速度の遅い部分の周辺部で2000年秋から2001年初夏にかけての低周波地震が起こったようです.地震波が遅いということはこの部分の温度が高くて,周囲と比べるとやわらかいためだと考えられます.この部分のどこかにマグマの溜りがあるのか,それとも全体として高温でやわらかい.
このうち、火山性地震を除いて、最も震源が浅いとされているのが、内陸直下型地震(別名、大陸プレート内地震、内陸地殻内地震、断層型地震)です。阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震 (M7.3*、最大震度7、震源の深さ16km))や岩手・宮城内陸地震(M7.2、最大震度6強、震源の深さ8km)など. その速度構造から、付加体(※4)先端部の深さ5〜10 km付近にS波速度が低下する領域が、南海トラフ沿いに新たに2箇所あることを発見し、また、その分布が浅部超低周波地震(※5)の震央分布と良く一致することを明らかにしました
地震の波形でいろいろ分かるのはなぜ?スーちゃん 地震(じしん)が起きてテレビをつけると、すぐに震源の場所や深さが出てくるよね。地震計. ※図をクリックすると拡大図が表示されます。 【適用限界】 土木分野で実施される屈折法地震探査の探査深度は、最もエネルギーの大きなダイナマイトを起振源に用いる場合でも100~200m程度です。 また、解析にあたっては、地盤の弾性波速度分布が、地下深部になるほど増加するものと仮定. なる深さの地中の地震計同士の記録を直接比較することに より,地盤における地震波の減衰(の深さ依存性)を推定 することが可能である.いくつかの手法が提案されている が,自然地震に対する地表と地中の観測波形からスペク (∝波長)によって影響する深さ 地構造依存する 範囲が異なり,そのために周期毎 の伝播速度が異なる。は地下構造に依存するの で,観測結果を満たす地 下構造が推定可能となる。 cT λ:波長 14 c:地震波伝播速度 T:周
PS検層はボーリング孔を用いて地盤中を伝播する弾性波動の伝播時間を測定して、地盤のP波・S波速度を求める調査法です。測定によって求められたP波・S波速度の分布状況から、地盤の鉛直方向への 層区分 を行い、各層の強度や耐震設計に必要な 動的地盤特性 を知ることができます 2008/07/17 地震活動の物理・統計モデルと発生予測 活断層の分布とP波速度パーターベーション 平均速度構造より 遅い領域を カラーで表示 活断層と 遅い領域は 相補的 深さ5km 低速度域 活断層 Matsubara et al. (2008, Tectonophys. I 深さ30mまでの平均S波速度と 地震動強さとの相関関係 *1:地震基盤上の地震動:内閣府等で広く用いられる統計的グリーン関数法を、前回想定同 様に用いた。ただし、小断層の位相特性は、乱数でなく、観測点での観測波形を用 このため地下の地震波速度の空間分布を詳しく調べ、地震波速度の遅い 場所にマグマ溜まりがあると考えられています。 東北地方では深さ200kmくらいまでの地震波速度の分布がよく調べられています。 それによると低周波地震は地震 沈み込んだプレートは、深発地震の震源分布として、深さ660kmにまで達していることが知られていた。 最近の地震波を用いた トモグラフィー (→「 地震トモグラフィー 」)の研究から、場所によって地震波速度の速いところや遅いところがあることがわかってきた